証券マンの仕事は激務?国内証券会社と外資系プライベートバンクとの違い ②
外資系プライベートバンクの業務はどうでしょうか。
外資系は、日本の証券会社より、さらに過酷な激務をさせられる等の記事もありますね。
私は、外資系プライベートバンクを1社、しかも5年しか経験していないので、他社のこと等あまり偉そうに語れませんが、わかる範囲でお話ししたいと思います。
プライベートバンクとは
プライベートバンクとは、もともとはスイスをはじめとする欧州の王族や貴族の資産保全や資産運用を担当するためのサービスです。私的な銀行、つまりプライベートなバンクという意味から「プライベートバンク」と呼ばれるようになりました。
基本的には顧客ファミリーを一生涯担当し、お金の執事として資産保全や資産運用の指示を行います。
日本ではあまりありませんが、子供の教育の支援であったり、旅行のあっせんや段取り、オーナーであれば事業戦略のアドバイスまで、特別なサービスを行っています。
日本では、UBS、クレディスイス、三菱モルガンスタンレーPB証券が主に外資系のサービスを行っています。
外資系プライベートバンクの業務とは
外資系プライベートバンクでは、国内証券会社と違い、むやみな飛び込み営業や電話営業は行いません。
国内証券会社の社員が3-5年で転勤するのに対し、プライベートバンカーは基本的には転勤というものはありません。
顧客に対して一生涯責任をもつことが求められているからです。
ですから、長い時間をかけて顧客としっかりとした信頼関係を構築する必要があります。
商品提案の内容もまったく違います。
国内証券会社の営業マンはどちらかというとテーマ性のある商品であったり、儲かるイメージを伝える営業をします。
プライベートバンカーは、顧客のライフプランに対して、どう資産を守り、引き継いでいくのかという提案をします。
報酬体系など
会社での業務や、報酬体系はシビアだといえます。
朝のミーティングや夕方の打ち合わせなんかはありません。直行や直帰もOKですし、基本的には顧客のためだけに時間を使えます。
ただこれは、言い方を変えると、誰も教えてくれる人はいないということです。
隣の社員がどの顧客を抱えていて、どんな提案をしているのかもわかりません。
オフィスは共有スペースですが、それぞれが、それぞれの顧客に対しての仕事をしているだけなのです。
国内証券会社では、チームとしてのミッションや数字をみんなで達成するというチームスポーツのような達成感があり、やりがいを都度感じやすいですが、それはありません。
とても穏やかで単調な毎日です。
怒ってくる上司はいません。面倒を見ないといけない部下もいません。
ですが自分の年俸を稼げないようだとクビになってしまいます。
逆に成績の良い人は、日本の証券会社の数倍、もしかしたら数十倍の給料を貰える可能性もあるでしょう。
日本の会社では簡単にクビにならないですから、覚悟が必要となるでしょう。
採用について
採用については、新卒採用はほとんどないと言って良いでしょう。ほとんどが証券会社で5年以上働いた人の転職です。
ヘッドハントであったり、他者からの推薦であったりといったところが多いです。
外資系への転職を考えている人は、今、国内の証券会社で手数料を沢山稼いでいるからと、同じ感覚ではなかなか難しいかもしれません。短期間での売買はほとんどないからです。
長期的に信頼を得られるために、大きな資産を任せてもらえるようになるために、専門知識の習得や人脈を広げる活動が必要になるでしょう。
自信がある方は、挑戦してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
いかがでしょうか?
私は、国内証券会社で働いていた時も、外資系プライベートバンクで働いていた時も、それぞれの良さがあり、楽しく働いていました。
この記事が、証券業系に興味がある方の参考になれば幸いです。
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