銀行や証券会社に人はいらなくなるの?AIと金融業界の将来

ロボットやAI、フィンテックの発達によって、金融業界の仕事はどう変化するのでしょうか・・・

10年後の銀行や証券会社の窓口にはペッパー君みたいなロボット(たぶんもっと人間的な外観になるのかな)がいて、普通に応対してくれるんでしょうね。
書類の手続きや過去の情報データなどの間違いは格段に減るでしょう。
コーヒーかお茶の好みも、情報がインプットされているので安心です。

まずはこんなニュースから。

日銀、金融機関の収益力低下を分析「店舗密集で手数料上げ困難に」(日本経済新聞2017/10/23)

日銀は23日、金融システムの現状などをまとめた10月の「金融システムレポート」を公表した。従来の自己資本耐久度検査(ストレステスト)の調査に加えて新たに金融機関が抱える構造的な競争環境を分析、地銀を中心に金融機関の店舗数や従業員数が過剰なために収益力が低下していると指摘した。この10年間を見ると、企業の廃業率は開業率を常に上回り企業数は大幅に減った。一方、金融機関の店舗数や従業員数は相対的に緩やかな変化にとどまる。日銀の金融機構局の木村武審議役は「金融機関の店舗が密集しているため、競争が激化して手数料などを引き上げるのが難しくなっている」と指摘した。日銀のマイナス金利の導入で金融機関の収益力の低下が懸念されている。木村氏は「収益力の低下の面では金融緩和による影響と構造的な要因はほぼ同じ程度だ」と説明した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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日本と欧米との違い

日本は欧米と違い、銀行や証券会社にフィー(預かってもらう管理手数料)を払うという習慣がありません。

ただ預かってもらうだけなのに手数料払うなんて嫌ですよね。

でもこれは欧米の金融機関では普通のことなんです。

日本ではその結果として、為替業務や投資信託の販売業務に偏った経営をしているものの、1店舗当たりの非金利収入は米国の4割、欧州の2割弱の水準となっているとのことです。

知っての通り、日本は金利が低いままなので、銀行の本来の金利の利ザヤ収入(売買の結果生じる利益)がだいぶ減りました。

だから銀行は投資信託をいっぱい販売して稼ぐしかないんです。

証券会社も、ネット証券の台頭で手数料収入が減り、投資信託をいっぱい販売するしかないんです。

また日本は、金融機関の店舗数も異常に多いです。

欧米で一番多いドイツの約3倍もの店舗数で、先進国では突出しています。

主要な駅前って大体の銀行が揃ってます。そして、もちろんそこには大量の人員が配置されているわけです。

何が起きる?

もうわかりますよね。

多くの店舗、多くの人員、つまり大きなコストを抱えている、なのに収益性が低い・・・あかんでしょ。

もう1個ニュース。

みずほ1万9千人削減へ…店舗集約、IT強化(読売新聞2017/10/28)

メガバンクの一角であるみずほフィナンシャルグループ(FG)が今後10年程度で国内外1万9000人の人員削減を検討していることが分かった。グループ全体の従業員数の約3分の1に相当する。超低金利で収益が伸び悩むなか、デジタル化を進めて収益力の強化を図る。みずほFGは2017年3月期で6035億円の最終利益を確保したが、今後、金融と情報技術(IT)を融合した金融サービス「フィンテック」の広がりで銀行以外の新興企業が台頭し、事業環境は厳しくなることが予想されている。このため、大規模な構造改革に着手し、先手を打つ必要があると判断した。従業員数は26年度までに1万9000人減らす計画だ。新規採用の抑制や退職者を含め、全体の人員を現在の約6万人から約4万人へと段階的に縮小する。

当然このような流れになりますよね。

ですが日本では、欧米のようにいきなりリストラということはやりづらいですから、このように10年もの時間を要してしまいます。その10年の間には、もしかすると、欧米のように預金を預かってもらう手数料がかかるようになるかもしれません。

まとめ

10年前、公衆電話って普通にどこにでもありました。

ポケベルと公衆電話はセットで、不倫のツールでした(ポケベルがならなくてという歌もありました、年がバレる)。

今は、探さないとなかなか見当たりません。携帯電話の普及が進んだからです。

今、駅前には普通に銀行があります。10年後はおそらくないでしょう。

スマホの普及が進んだからです。振込みもスマホでできます。不倫の連絡もLINEになりました。

つまり、10年後には、ロボットに置き換えても問題ないような仕事しかできない人は、職を失ってしまうのかもしれません。

ですが、新しい仕事が生まれる大チャンスでもあります。

その人にしかできない付加価値、強みを作っていくことが大切になっていくのではないでしょうか。

自分の仕事や、やりたいことを見つめなおす良い機会なのかもしれませんね。

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